• 竹槍

公開買い付け ③

買収に依って株式の全部保有を視野に入れた場合、


TOBによって9割以上の所得が叶った場合は、

「株式等売渡請求」という制度によって全部取得したも同然となるのだった。


では、TOBを行ったものの9割も取得できなかった場合には

全部取得が叶わないのか?

というと、まだ方法がある。それが株式併合である。


株式併合とは、任意の数を定め、

「任意の数」で株式数を除算して

「任意の数」を株価にかけること。

このように一般化できる言い回しにしてしまうとよくわからんが、

例にとってみると簡単な話である。


例えば、株主総会で10株を1株に併合する案が可決されたとする。

すると、全株主の持っている株式数は1/10になるが、

価格がそのままでは資産価値も1/10になってしまうので

株主に不当な不利益を与えることになる。※1

そこで価格は10倍して資産価値は変わらないようにする。

もちろん10株未満の端数は0.X株となって

株式という形での資産を保てなくなるから、

端数になった株式は等価の現金と交換する。


これは決議の内容や手続きには細かい決まりが色々とあるものの、

簡単に言うと株主総会で可決されれば執り行うことができる。

https://www.businesslawyers.jp/practices/479#:~:text=株式併合を行う場合には、株主総会の,定めなければなりませ

資産を変動させないことや端数の株式が等価の現金と交換されること、

株式併合を行うための会社側の手続き

(裏を返せば株主側で必要な手続きが特にないこと)

などは会社法で定められている。


ここで、やっと東証の

監理銘柄の指定について
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PDF • 95KB

「同社株式の数が1株に満たない端数となる割合で行う株式の併合」

の意味がわかってきた。

初めて読んだときは

1株に満たない株式なんか存在するんか?保有できるんか?となって

意味が分からなかったが、順番が逆で、

株式併合を行った結果1株に満たない端数となることがあるから、

その現象を故意に起こすよ!ってことみたいだ。

東京ドーム側の発表により詳しく載っていて、

公開買い付けに関する賛同の意見表明
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PDF • 1.90MB

三井不動産は全部取得を目標としているから、

TOBでの取得株式が9割に満たなかった場合には株式併合の決議を行い、

三井不動産以外の株主の持っている株式が全部端数となってしまうような割合を指定する。つまり三井以外で一番多く株式を保有している株主の保有株数よりも多い数を

割る数として指定するんですな。

そして全端数を現金と交換し、株主は最終的に三井不動産だけになる。


だから、何も9割以上も保有しなくても、

過半数の株式と十分な現金があれば結局は

全部取得できる制度になっているということだ。


さて、これで、はじめの目的

「監理銘柄の指定について」を読むための情報が出そろった。


TOBの結果、三井不動産が

(1)9割以上を保有した場合は、「株式等売渡請求」が可能になるため、

 三井不動産は残った株主から強制的に株を買い上げることができ、

 東京ドーム株は上場廃止となる。

(2)9割以上保有できなかった場合でも、TOBによって過半数を取得していれば、

 東京ドームに株主総会を要請して

 三井不動産以外の全株主の保有数が端数となるような割合での株式併合を

 可決できるため、やはり東京ドーム株は上場廃止となる。

東京ドームがこれらの旨を発表しているため、

上場廃止のおそれを認め監理ポストに移行する。


公開買い付けの募集とともに起こる一連のムーブについて整理した。


前:公開買い付け ② 次:信用取引 序


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参考URL:

https://www.businesslawyers.jp/practices/479#:~:text=株式併合を行う場合には、株主総会の,定めなければなりませ

https://manetatsu.com/2020/06/267174/

1株に満たない場合の処理と
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株式併合に関するQ&A
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PDF • 163KB

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※1

会社法や金商法まわりではこの

「不当な不利益を与える」っていう言い方が好まれるようだね。

これが[竹槍]の語彙だと「ずるい!かわいそう!!」ってなる。


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